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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻12号

1992年12月発行

文献概要

研究と報告

甲状腺疾患の精神症状

著者: 津村哲彦1

所属機関: 1多摩済生病院精神科

ページ範囲:P.1347 - P.1352

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 【抄録】 甲状腺疾患による精神障害は,19世紀から観察研究されている。しかし,現代においてもなお,精神症状を伴う甲状腺疾患が見逃されていることも事実である。筆者は,甲状腺精神病4例を紹介し,甲状腺疾患の精神症状について検討した。
 甲状腺疾患に伴う精神症状は,長い経過の中で様々な症状を呈しうるために,種々の診断が下される場合もあり,特徴的な精神症状はなく,様々な精神症状のために見逃されることも少なくない。また,慢性化すれば,人格変化を生じてしまうため,早期に発見して対処しなければならない。
 甲状腺機能は,全身の様々な代謝に影響すると考えられ,臨床現場において種々の精神科疾患の治療の際に考慮に入れておくことも,今後の精神科臨床において重要なことと思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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