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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻12号

1992年12月発行

文献概要

短報

ゾニサミドが著効を示したmigrational anomaly(遊走異常)を伴う難治性部分てんかんの1例

著者: 門司晃1 梅野一男1 森本修充1 田代信維1 内野晃2 蓮尾金博2

所属機関: 1九州大学医学部神経精神医学教室 2九州大学医学部放射線科学教室

ページ範囲:P.1357 - P.1360

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 ゾニサミドは本邦で開発された新しい抗てんかん薬で,難治性てんかんにもその有用性が期待されている薬剤である。migrational anomaly(遊走異常)とは神経芽細胞の移動(neuronal migration)の過程で生じる,まれな先天異常であり,schizencephaly(裂脳症),lissencephaly(滑脳症),pachygyria(脳回肥厚症),polymicrogyria(小脳回過剰症),cortical heterotopia(異所性灰白質)などが含まれる。この先天異常は種々の精神神経学的症状を合併することが知られていたが,病理学的分野からの報告がほとんどで,臨床面からの報告はまれであった8)。ところが近年MRIの普及に伴い,詳細な脳内構造の検索が可能になり,非観血的な確定診断ができるようになったため,臨床的な視点からの報告もcortical heterotopiaを中心に行われるようになった1,3,11,13)。今回我々はMRIにてmigrational anomalyを認めた難治性部分てんかんの患者にゾニサミドを使用し,著しい発作抑制効果を認めたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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