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英国における地域での青年力ウンセリング・サービス—英国青年カウンセリング協会(NAYPCAS)に所属する施設の紹介を通して
著者: 青木省三1
所属機関: 1岡山大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.1361 - P.1365
文献購入ページに移動 思春期・青年期の精神医療サービスには,個人精神療法,集団療法,家族療法など様々なメニューが必要であり,しばしば1人の患者にこれらの複数のものが必要となる。それらのメニューの1つとして,筆者らは青年たちの集う「たまり場」について報告してきた1〜3)。ここでいう「たまり場」とは,青年にとって安全で保護された「場」であり,同時にその中では何もしなくてもよいという自由が保障されている「場」を指している。このような「たまり場」が地域の中にあれば,かなりの不登校の青年たちが,引きこもった時間を彼らの成長にプラスなものに変えられるのではないかと思うし,実際に地域の中の居場所づくりは全国的に進みつつあるという印象を受ける。しかし,この地域の中の居場所や「たまり場」は依然として手探りの状態であり,その運営方法や経済的問題などには今後の課題が多いように思う。
筆者は1988年と1990年から1991年とにかけて,英国の思春期・青年期精神医療サービスを勉強する機会を得たので,地域の中にある小規模なサービス,特に「たまり場」的なものについて調べてみた。その結果を若干,紹介してみたい(なお,青年期治療ユニットについては別に報告した5))。
筆者は1988年と1990年から1991年とにかけて,英国の思春期・青年期精神医療サービスを勉強する機会を得たので,地域の中にある小規模なサービス,特に「たまり場」的なものについて調べてみた。その結果を若干,紹介してみたい(なお,青年期治療ユニットについては別に報告した5))。
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