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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻2号

1992年02月発行

研究と報告

配偶者に向けられた系統的健忘の2例

著者: 稲本淳子1 梶田修明1 木南豊1 田玉逸男1 河合正登志1

所属機関: 1昭和大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.169 - P.175

文献概要

 【抄録】 報告例の少ない配偶者に向けられた系統的健忘を2例経験し,その共通の特徴に着目し従来の報告例も含め考察を加えた。
 系統的健忘の固有の特徴としては,女性の報告例が多く,結婚生活そのものが慢性葛藤状態であり,本来人生において重大な選択である結婚が,熟慮された結果ではなく受動的,衝動的で,その過程に問題があったといえる。また生育環境としては中流以上の家庭に育ち,その根底に両親との不分離が示唆される。性格特性としては精神的他殺型であり自己肯定的側面が強いものであると思われる。また臨床経過,発症状況,および発生機制において全生活史健忘と類似しており,その1型であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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