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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻2号

1992年02月発行

文献概要

研究と報告

精神症状と並行して脳血流所見に改善が認められたループス精神病の1例

著者: 日野俊明12 菊池周一1 児玉和宏1 昆啓之1 伊藤順一郎1 柳橋雅彦1 佐藤甫夫1 小池隆夫3

所属機関: 1千葉大学医学部神経精神医学教室 2北深谷病院 3千葉大学医学部第二内科学教室

ページ範囲:P.183 - P.188

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 【抄録】 我々は,SLEによると思われる精神症状(躁状態)を呈し,抗精神病薬が著効を示した1例を経験した。本症例に対し画像診断を行い,その有用性について検討した。その結果,CT上では軽度大脳萎縮を,MRI上ではT2強調像において前頭葉白質を中心として多発する点状の高信号域を認めた。123I-IMP-SPECTでは,①右側を中心とした前頭葉の血流低下,②右側頭葉の血流低下,③右頭頂葉の血流低下が認められた。この症例の精神症状に対しては,ステロイド剤のパルス療法は有効ではなく,抗精神病薬であるzotepineが著効を示し,精神症状の改善と並行して脳血流所見に改善が認められた。
 以上からループス精神病の診断・治療上,画像診断(特にSPECTによる脳血流の画像化)は有用であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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