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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻3号

1992年03月発行

研究と報告

精神疾患入院患者の診断別在院期間の年次推移

著者: 藤田利治1

所属機関: 1国立公衆衛生院疫学部

ページ範囲:P.247 - P.257

文献概要

 【抄録】 入院から退院までの期間を「在院期間」と呼び,ある時点の在院患者での入院時点からその時点までの期間を「継続在院期間」と呼ぶことにする。本報告では,厚生省「患者調査」を用いて,1974年以降の在院期間および継続在院期間の年次推移を傷病小分類別に推計した。
 「精神分裂病」「精神薄弱」「てんかん」では退院までの在院期間は経年的にやや短期化したにもかかわらず,在院患者の継続在院期間は長期化の一途をたどった。「その他の精神病」と「神経症」では在院期間の変化を伴わない入院患者数の増加とその結果としての在院患者数の増加がみられ,継続在院期間の長期化が進行した。「躁うつ病」では入院患者数および在院患者数とも経年的に増加したが,在院患者での継続在院期間の著しい長期化は認められなかった。「老年期および初老期の器質性精神病」と「その他の非精神病性精神障害」では入院患者数の増加が極めて激しく,継続在院期間が短い在院患者割合が相対的に増加した。「アルコール精神病」と「アルコール依存」では入院患者数および在院患者数に大きな変化はなかったが,継続在院期間の長期化が進行した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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