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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻3号

1992年03月発行

文献概要

研究と報告

非定型ピック病の1剖検例

著者: 小田原俊成1 小阪憲司1 藤井俊一2

所属機関: 1横浜市立大学医学部精神医学教室 2横浜田園都市病院

ページ範囲:P.259 - P.264

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 【抄録】 非定型的な神経病理学的所見を呈したピック病の1剖検例を報告した。症例は74歳,女性。物忘れで発症し進行性の痴呆を呈したが,人格変化や滞続言語は認められず,アルツハイマー病と診断された。しかし,アルツハイマー病としても若干非定型的な点も認められた。神経病理学的には前頭葉眼窩面および側頭葉の限局性脳萎縮,同部位に強調される神経細胞の脱落,皮質下白質の高度なグリオーシスからピック病と診断された。しかし,海馬付近に限局した多数の神経原線維変化の出現やマイネルト基底核,青斑核の強い病変に加え,両側の錐体路変性など,通常ピック病にはみられない特異的な所見が認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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