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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻3号

1992年03月発行

シンポジウム 境界例の診断と治療

境界例の概念とその変遷

著者: 小此木啓吾12

所属機関: 1慶応義塾大学環境情報学部 2医学部精神神経科

ページ範囲:P.293 - P.300

文献概要

■はじめに―“borderline”の多義性
 精神医学におけるborderlineの概念はまことに多義的であり,時代的にも幾多の変遷がある。まずそれぞれの流れを概観すると次のようである。
 第1に,1980年代から現在,最も広く流布しているのは,DSM-Ⅲのパーソナリティー障害の1型として挙げられた,境界パーソナリティー障害の診断基準にのっとって,臨床的に症例を診断し治療する流れである。DSM-Ⅲの中に境界例が位置づけを得たことによる影響は多大であるし,また,この診断基準に該当するような症例が,診断場面に急速に増加したのもまた事実である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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