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シンポジウム 境界例の診断と治療
文献概要
■はじめに―“borderline”の多義性
精神医学におけるborderlineの概念はまことに多義的であり,時代的にも幾多の変遷がある。まずそれぞれの流れを概観すると次のようである。
第1に,1980年代から現在,最も広く流布しているのは,DSM-Ⅲのパーソナリティー障害の1型として挙げられた,境界パーソナリティー障害の診断基準にのっとって,臨床的に症例を診断し治療する流れである。DSM-Ⅲの中に境界例が位置づけを得たことによる影響は多大であるし,また,この診断基準に該当するような症例が,診断場面に急速に増加したのもまた事実である。
精神医学におけるborderlineの概念はまことに多義的であり,時代的にも幾多の変遷がある。まずそれぞれの流れを概観すると次のようである。
第1に,1980年代から現在,最も広く流布しているのは,DSM-Ⅲのパーソナリティー障害の1型として挙げられた,境界パーソナリティー障害の診断基準にのっとって,臨床的に症例を診断し治療する流れである。DSM-Ⅲの中に境界例が位置づけを得たことによる影響は多大であるし,また,この診断基準に該当するような症例が,診断場面に急速に増加したのもまた事実である。
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