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シンポジウム 境界例の診断と治療
イギリスにおけるいわゆる「境界例」研究について—症例を中心に
著者: 衣笠隆幸1
所属機関: 1衣笠クリニック
ページ範囲:P.311 - P.317
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本稿においてはイギリスにおける「境界例」について,臨床症例を中心に考察を加えてみたい。そのためには,いくつかの問題点がある。
1.アメリカにおける「境界例」の定義上の不統一(詳細は他の論文に譲る)7〜9)
「境界例」の研究は主としてアメリカで行われてきたものであるが,歴史と共にその定義が異なり,現在も統一をみていない。その1つは1950年代の「境界例」研究で,これは神経症と分裂病の境界にある潜伏性分裂病の研究である。この意味の境界例研究は現在はあまり活発には行われていない。
本稿においてはイギリスにおける「境界例」について,臨床症例を中心に考察を加えてみたい。そのためには,いくつかの問題点がある。
1.アメリカにおける「境界例」の定義上の不統一(詳細は他の論文に譲る)7〜9)
「境界例」の研究は主としてアメリカで行われてきたものであるが,歴史と共にその定義が異なり,現在も統一をみていない。その1つは1950年代の「境界例」研究で,これは神経症と分裂病の境界にある潜伏性分裂病の研究である。この意味の境界例研究は現在はあまり活発には行われていない。
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