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短報
病相頻発型気分障害の10例の臨床的特徴
著者: 中村中12 木下徳久2 神庭重信2 島悟3 宮岡等4 八木剛平2 浅井昌弘2
所属機関: 1駒木野病院 2慶應義塾大学精神神経科 3東京経済大学教養学部 4済生会中央病院神経科
ページ範囲:P.427 - P.430
文献購入ページに移動1974年にDunnerら5)は,リチウム治療抵抗性であるその特徴を強調するため,1年間に4回以上の躁またはうつ病相を持つ双極性障害患者に対してrapid cycler(以下,病相頻発型と訳す)という語を初めて用いた。ところが近年,抗うつ薬の使用により双極性障害の一部に躁うつ病相の頻発化が誘発され,それに関連して障害がリチウム治療に抵抗性となることが明らかにされると,気分障害,特に双極性障害のうつ病期に抗うつ薬を使用することの是非をめぐり,病相頻発型の意義が再考された1,7,8,10,12〜14)。しかしながら我が国では,病相頻発型気分障害の臨床的特徴についての研究報告は少ない。本稿では,病相頻発型気分障害と診断された10症例についてその発症や経過を調査し検討を加えた。
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