研究と報告
Familial restless legs syndromeを合併したperiodic limb movement disorderの1例—L-DOPAによる治療効果について
著者:
松本三樹1
武藤福保1
直江裕之1
鎌田隼輔1
千葉茂1
宮岸勉1
所属機関:
1旭川医科大学医学部精神科神経科
ページ範囲:P.505 - P.512
文献購入ページに移動
【抄録】 Familial restless legs syndrome(FRLS)を合併したperiodic limbmovement disorder(PLMD)の1例を報告した。Colemanらの基準を用いて睡眠ポリグラムを分析した結果,periodic limb movement index(PLM index)およびperiodic limb movement-arousal index(PLM-arousal index)はそれぞれ101.3および81.8であった。また,multiple sleep latency test(MSLT)の平均入眠潜時は3.13分であった。本症例に対してL-DOPA100mgとbenserazide25mgの就寝前投与を開始したところ,PLM indexおよびPLM-arousal indexはそれぞれ44.1および7.9に低下し,FRLSも抑制された。また,MSLTの平均入眠潜時は10.00分に延長し,脳脊髄液中のホモバニリン酸濃度は治療前の22.8ng/mlから37.0ng/mlに増加した。
以上の結果から,本症例におけるPLMDおよびFRLSの発現機序の1つとして,中枢神経ドーパミンニューロンの活性低下が関与していることが推定された。