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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻5号

1992年05月発行

文献概要

研究と報告

多彩な精神症状を呈したパーキンソニズムの1例

著者: 永瀬文博1 赤崎安昭1 橋口知1 森岡洋史1 長友医継1 野間口光男1 松本啓1

所属機関: 1鹿児島大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.517 - P.522

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 【抄録】 多彩な精神症状を呈したパーキンソニズムの1例について報告した。症例は66歳の女性で,不安,心気,抑うつなどの精神症状が先行したが,抗不安薬や抗うつ薬は,これらの症状に対して効果が認められなかった。その後,精神活動鈍化,幻覚,意識障害の出現を来し,それらとともに筋硬直,寡動,仮面様顔貌,前傾・小刻み歩行などの神経症状が出現した。本症例においては,精神症状が前景に立ち,神経症状は軽度で,しかも増悪,改善を繰り返したことが特徴的であった。治療としては,少量のbromocriptineおよびamantadineが有効で,神経症状のみでなく,精神症状および脳波にも改善が認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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