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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻6号

1992年06月発行

巻頭言

カルテはだれのもの?

著者: 原田憲一1

所属機関: 1神奈川県立精神医療センター

ページ範囲:P.568 - P.569

文献概要

 カルテ(診療録,medical records)が患者のためのものであることは分かりきったことである。では,だれのものか?とあらためて問われると,一瞬答えに窮する。カルテと患者はどういう関係にあるのか? カルテを患者は自由に閲覧する権利を持つかどうか,といった問題が伏在しているからである。
 神奈川県は1990(平成2)年3月,全国でも先進的な個人情報保護条例を施行した。個人の情報を保護するということは,表裏一体として「自己情報の開示」を必要とする。プライバシーを守るということをきちんと実行するためには,自分以外の人が自分に関してどんな情報を握っているかを,本人が知る権利を認めねばならない。県の機関が持っている個人情報の開示を,その個人本人が希望し,必要に応じて訂正を求める権利を条例で定めたのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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