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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻6号

1992年06月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病患者の離職—要因,予測因子,予後

著者: 片山成仁1 宮内勝1 安西信雄12 池淵恵美1 熊谷直樹1 佐野威和雄1 中嶋義文1 中島亨13 濱田龍之介12 本多真1

所属機関: 1東京大学医学部精神医学教室 2現所属,東京都立松沢病院 3現所属,関東逓信病院

ページ範囲:P.585 - P.590

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 【抄録】 東大病院精神神経科デイホスピタルを終了後にいったん就労し,離職経験のある41名の精神分裂病患者を対象に,離職率,離職要因,離職の予想因子,離職の影響について調査,検討した。
 その結果,精神障害に基づく離職には,①対人過緊張から同僚に対して被害的となり疲れ果ててしまう。②職業能力,意欲が低く,職業遂行不能となる。③精神症状の増悪から,妄想的,空想的となる。との3つのパターンがあった。また増悪または対人過緊張がみられる時は高率に離職することが分かった。診断の下位分類によって離職の仕方に差はみられなかった。離職後に精神症状が悪化することは少なく,医師患者関係も変わらず,就労意欲も保たれる場合が多いことが分かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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