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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻6号

1992年06月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病患者の聴覚性文章記憶と視覚性図形記憶

著者: 松井三枝1 倉知正佳1

所属機関: 1富山医科薬科大学医学部精神神経医学教室

ページ範囲:P.609 - P.613

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 【抄録】 精神分裂病患者の文章記憶と図形記憶について,再生と再認双方を検討した。対象はDSM-Ⅲ-Rで精神分裂病と診断された16名と健常者16名。①文章課題として天気予報の話題で情動性の少ないニュートラルな短文を作成し,テープ・レコーダーで記憶文章を各対象者に聞いてもらい,その後,再生テストならびに再認テストを行った。②図形課題としてBenton視覚記銘検査図版10枚の10秒提示の即時再生ならびにmultiple choiceによる再認テストを行った。その結果,文章記憶課題では意味再生率と形式再生率ともに分裂病群のほうが健常群よりも有意に小さかったが,再認率には有意差がなかった。図形記憶課題では,再生において分裂病群のほうが健常群よりも正答数が有意に少なく,誤謬数が有意に多かったが,再認成績では有意差は認められなかった。以上の所見からいずれのモダリティにおいても情報処理過程における検索時の問題が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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