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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻6号

1992年06月発行

文献概要

研究と報告

摂食障害患者における骨塩量減少とその発症機序について

著者: 切池信夫1 池谷俊哉1 中筋唯夫1 中西重裕1 川北幸男1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.637 - P.643

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 【抄録】 Anorexia nervosa 11例,anorexia nervosa+bulimia nervosa 18例,bulimia nervosa 7例と健常女性10名についてdual photon absorptiometry(DPA)により第2〜4腰椎および全身の総骨塩量を測定し,骨塩密度と臨床諸要因との関連について検討を加えた。anorexia nervosa群とanorexia nervosa+bulimia nervosa群の第3腰椎,第2〜4腰椎の骨塩量ならびに骨塩密度と全身の総骨塩量は,正常体重bulimia nervosaや健常対照群に比し低値を示した。そしてこれらの患者の第3腰椎の骨塩密度は,体重とは正の相関を,罹病期間と無月経の期間とは負の相関を示した。そしてDPA施行6カ月前の日常生活における活動性が高かった群が低かった群より有意に高値を示した。さらにCa代謝に関連する主なホルモンのうちエストロゲンが全例において異常低値を示した。以上の結果より,摂食障害患者にみられるosteoporosisの発症機序について若干の考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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