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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

子どもの強迫神経症に関する1考察—森田理論の立場から

著者: 清水健次1 松本英夫2 大原健士郎1

所属機関: 1浜松医科大学精神神経科 2国立療養所天竜病院精神科

ページ範囲:P.651 - P.659

 【抄録】 DSM-Ⅲ-Rに基づいて,15歳以下の児童期に発症したと診断される12例の子どもの強迫神経症を対象にして検討した。巻き込みの程度に着目して症例を観察し,森田理論から説明を試みたところ,巻き込みがないかあっても軽度であり,森田理論で説明可能である群と,巻き込みを中等度以上認め,森田理論で説明できない群の2群に大きく分類された。そこで前者をA群,後者をB群として詳細に比較・検討した結果,以下の特徴が明らかになった。①森田理論で説明可能なA群は受診に至る経過がB群に比べて長く,発症の契機を有するものが多い傾向があった。②A群はB群に比べ第1反抗期を有するものが多かった。成人と同様な森田機制で説明されるA群には今後,森田療法に準じた対応が有効である可能性が示唆された。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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