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短報
アルツハイマー病患者に併発した悪性症候群の1例
著者: 須貝佑一1 長尾佳子2 竹中星郎1
所属機関: 1浴風会病院精神科 2東京都立中部精神保健センター
ページ範囲:P.661 - P.663
文献購入ページに移動俳徊と暴力行為が頻回なため,少量のhaloperidolを使用した男性アルツハイマー病患者に流誕と微熱,発汗,嚥下困難,姿勢異常の増悪がみられ,約1週間持続した。生化学的検査より悪性症候群と考えられた。アルツハイマー病の経過は約6年で,すでに姿勢異常や言語崩壊もみられる病後期の段階で,臨床症状のみからは通常の錐体外路系の副作用と区別し難く,悪性症候群とは断定しにくい症例であった。痴呆患者の増加に伴い向精神薬を使用する機会も多くなっているものと推察されるが,痴呆患者に併発した悪性症候群の報告は意外に少ない。本症例のような軽症の病態が潜在していることも考えられ,症例を呈示して注意を喚起したい。
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