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雑誌詳細

文献概要

短報

精神症状を呈した筋緊張性筋ジストロフィーの1例

著者: 寺島康1 小泉準三2 白石博康2 鈴木利人2 川上倖司3

所属機関: 1筑波大学附属病院精神神経科 2筑波大学臨床医学系(精神医学) 3国立水戸病院

ページ範囲:P.665 - P.667

■はじめに
 筋緊張性筋ジストロフィーは1909年初めてSteinert9)らによって報告され,筋緊張,筋萎縮を主症状とし,常染色体優性遺伝性疾患で骨格筋のほかに内分泌系,心血管系,消化管系,神経系などに異常を来す疾患として知られている。1923年にAdieら1)が精神遅滞を伴った筋緊張性筋ジストロフィーを発表したのに始まり,Thomsen12)は本疾患99例中36例に精神遅滞,自発性減退,感情障害などの精神障害を伴っていたと報告し,現在では筋緊張性筋ジストロフィーの精神症状として精神遅滞,非協力的な性格傾向が認められるとされる4,5,8)が,幻覚,妄想などの精神症状を伴うとの報告も散見される2,7,13)。筆者らは幻覚,妄想などの精神分裂病様の症状が認められた本症の1例を経験したので若干の考察を加えて報告する。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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