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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻7号

1992年07月発行

文献概要

研究と報告

抗てんかん薬服用患者の骨塩密度—QDRによる検討および骨塩密度と血清Ca,P,Al-p値との関連

著者: 久保田文雄1 中島政美1 宮永和夫1 曽田雅之2 高橋滋3

所属機関: 1群馬大学医学部神経精神医学教室 2群馬大学医学部産科婦人科教室 3国立高崎病院精神神経科

ページ範囲:P.751 - P.756

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 【抄録】 Quantitative Digital Radiographyによりてんかん患者の腰椎および大腿骨頸部の骨塩密度を測定し,同時に血清カルシウム(Ca),リン(P),アルカリフォスファターゼ(Al-p)を測定した。対象は長期服薬患者45例(男21例,女24例)および正常対照者62名(男30名,女32名)で,患者はフェニトイン,バルビタール酸系薬剤およびアセタゾラミドを5年以上服用しているものを選んだ。患者群の骨塩密度は男女ともに両部位で有意に減少していた。減少要因の検討から薬剤の種類が関係すると考えられた。骨塩密度と血清Ca,P値の間では正の,Al-pの間では負の相関がみられ,Ca,PおよびAl-pのうち2つ以上の異常を示した患者群では骨塩密度は男女ともに両部位で有意に減少していた。このことより,骨塩密度と血清Ca,P,Al-p値の異常は密接な関係があることが示唆された。抗てんかん薬服用患者では骨萎縮の可能性があるため,骨塩密度の検討を要するものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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