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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

新しい抗てんかん薬clobazamによる難治てんかん発作の治験

著者: 渡辺雅子1 八木和一1 清野昌一1

所属機関: 1国療静岡東病院(てんかんセンター)

ページ範囲:P.757 - P.766

 【抄録】 clobazam(CLB)は,1,5位にN原子を持つ1,5-benzodiazepineである。1978年にGastautが難治のてんかん発作に対する抑制効果を報告して以来,現在では難治てんかんに対する付加的な抗てんかん薬として,欧米諸国で臨床治療に用いられている。我々は,計140例の難治てんかん症例を対象として,CLBを付加投与し効果と安全性を検討した。
 対象の14.3%において発作が消失し,40.7%において発作頻度が50%以下に減少した。CLBは全般および部分発作の両者にわたる広い効果スペクトルムを持ち,とりわけ単純および複雑部分発作,全般性強直発作,非定型欠神に対して抑制効果があることが分かった。
 本剤は抑制効果耐性を生じやすい。その出現率は46.8%,耐性出現時はCLB投与開始33日(中央値)であり,発作型による耐性出現に明らかな差はなかった。重篤な急性副作用は認められなかった。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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