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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻8号

1992年08月発行

文献概要

特集 薬物依存の臨床

薬物に依存する心と脳

著者: 内村英幸1 橋本喜次郎1

所属機関: 1国立肥前療養所

ページ範囲:P.802 - P.805

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■はじめに
 1990年度版犯罪白書の中で,「享楽的な社会風潮が薬物に対する警戒心を薄れさせ,薬物の刺激を求める人々の安易な興味の対象となっており,他方,最近においては,覚醒剤以外にも,ヘロイン,コカイン,LSDおよび大麻などの多様な薬物が乱用される傾向がある」と提起されている(1990年度で押収量は前年度比のコカイン64.1倍,大麻2.3倍,LSD2.3倍,ヘロイン1.6倍である)4)。実際,薬物依存は多様化する傾向にあり,我が国でもコカイン精神病も報告されてきている。薬物依存は社会的にも,医療的にも多くの問題を抱えている。このことを踏まえて今回の特集では,融道男教授(東京医科歯科大)の司会で開かれた東京都精神医学総合研究所シンポジウム「薬物濫用の現況」(1991. 12)を含めて,多様化する薬物依存の今日的課題について編集した。ここでは,薬物依存に関する総論的な背景について述べることにしたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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