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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻8号

1992年08月発行

文献概要

特集 薬物依存の臨床

覚醒剤中毒の病態—昔と今

著者: 加藤伸勝1

所属機関: 1前都立松沢病院

ページ範囲:P.833 - P.838

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■はじめに
 薬物の慢性常用による精神身体的変化を慢性中毒と呼ぶことの当否については,現在でも議論の残るところであるが,ここでは,それにこだわらず覚醒剤乱用による病態を「覚醒剤中毒」としておく。
 覚醒剤を代表するメタンフェタミン(methamphetamine)とアンフェタミン(amphetamine)の発見は,1880年代に遡る。前者は,1888年麻黄研究物質第33号として,長井長義博士によって合成された。アンフェタミンはそれに遅れること7年後,Edelemo, L. により合成された7)。薬理作用は交感神経刺激興奮作用が明らかにされて医薬品として用いられるに至ったが,この薬剤がナルコレプシーに有効との報告が出て,1936年頃から商品化された。始めはアンフェタミンの硫酸塩として発売され,次いでメタンフェタミンの塩酸塩のほうが力価が強いことが分かり,ドイツで発売された(ペルビチン)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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