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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻8号

1992年08月発行

文献概要

特集 薬物依存の臨床

薬物依存と脳画像解析

著者: 伊豫雅臣1 山崎統四郎2

所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所薬物依存研究部 2放射線医学総合研究所臨床研究部

ページ範囲:P.875 - P.879

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■はじめに
 近年の放射線医学の進歩により生きたヒトの脳の形態や機能を調べることが可能となってきている。X線CTやMRIは主に形態学的変化を,そしてポジトロンCT(PET)やシングルフォトン・エミッションCT(SPECT)は機能的変化を調べるのに有用である。薬物依存についてのこれらの手法を用いた研究は,依存症発症機序の解明および乱用による精神毒性または神経毒性の発生機序の解明,またはそれらの毒性の診断を目的に行われている。しかし,依存性薬物の脳への作用は種類や使用量,使用期間によって異なる。さらに,薬物摂取行動に伴う非特異的な作用も脳の形態や機能に影響を与えるので,薬物依存症者を対象とした画像診断の場合,これらの要因について分析する必要がある。そこでまず薬物依存の脳画像に及ぼす要因について考察する(図1)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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