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研究と報告
初老夫婦のfolie à deuxの1症例—妄想共同体の形成と解体の特異性を中心に
著者: 西田博文1 倉光正春1 新保友貴1
所属機関: 1倉光病院
ページ範囲:P.945 - P.950
文献購入ページに移動 【抄録】 初老期に,典型的なfolie à deuxを呈した夫婦の1症例を報告した。
これは,folie à deuxの“成立”と“解体”という二つの局面に特徴を持つ症例である。すなわち妻に生じた妄想気分様体験が夫の妄想を誘発し,その被害・関係妄想に,妻があらためて同調してfolie à deuxの成立をみたという,やや複雑な成り立ちをとった点がまず特異である。次に,folie à deuxの成立2年半後,夫が,共闘者である妻を被害者から加害者の側に組み替えることによって,この妄想共同体が内部から瓦解してしまった点が珍しい例といえる。
そのほか,folie à deuxという妄想共同体は,二人の妄想世界を進展せしめると同時に,より健康な方がより病的なパートナーの病状悪化を阻止するという,逆説的な機能的存在でもあることを強調した。また,それぞれ二人の診断学的類型について検討し,さらにfolie à deuxの治療的処遇の問題に触れた。
これは,folie à deuxの“成立”と“解体”という二つの局面に特徴を持つ症例である。すなわち妻に生じた妄想気分様体験が夫の妄想を誘発し,その被害・関係妄想に,妻があらためて同調してfolie à deuxの成立をみたという,やや複雑な成り立ちをとった点がまず特異である。次に,folie à deuxの成立2年半後,夫が,共闘者である妻を被害者から加害者の側に組み替えることによって,この妄想共同体が内部から瓦解してしまった点が珍しい例といえる。
そのほか,folie à deuxという妄想共同体は,二人の妄想世界を進展せしめると同時に,より健康な方がより病的なパートナーの病状悪化を阻止するという,逆説的な機能的存在でもあることを強調した。また,それぞれ二人の診断学的類型について検討し,さらにfolie à deuxの治療的処遇の問題に触れた。
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