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短報
精神分裂病患者におけるベントン視覚記銘検査成績の特徴
著者: 松井三枝1 倉知正佳1
所属機関: 1富山医科薬科大学医学部精神神経医学教室
ページ範囲:P.1005 - P.1007
文献購入ページに移動 ベントン視覚記銘検査はBenton1)により創案されて以来,神経心理学的検査としてこれまで数多く用いられてきた。特に,大脳損傷者や高齢者の記憶を調べるのに有用であり,多くの研究報告がある1,3,9)。
精神分裂病患者における遂行特徴については,若干Bentonが記載しているが,そこでは多数例のデータは示されていない1)。その後近年になって精神分裂病患者に一連の神経心理学的検査の1つとして,ベントン視覚記銘検査が施行され5),健常者より全正確数が少なく,全誤謬数が多いことが報告されている2,7)。このように,精神分裂病患者では視覚記銘の障害が考えられるが,ベントン視覚記銘検査によるより詳細な記銘能力の分析のためには大林ら8)が一部について行っているように,記銘する図版ごとの検討も必要であると思われる。本研究では,多数の精神分裂病患者のベントン視覚記銘検査成績の特徴について詳細な検討を行い,その資料を提供することを目的とした。
精神分裂病患者における遂行特徴については,若干Bentonが記載しているが,そこでは多数例のデータは示されていない1)。その後近年になって精神分裂病患者に一連の神経心理学的検査の1つとして,ベントン視覚記銘検査が施行され5),健常者より全正確数が少なく,全誤謬数が多いことが報告されている2,7)。このように,精神分裂病患者では視覚記銘の障害が考えられるが,ベントン視覚記銘検査によるより詳細な記銘能力の分析のためには大林ら8)が一部について行っているように,記銘する図版ごとの検討も必要であると思われる。本研究では,多数の精神分裂病患者のベントン視覚記銘検査成績の特徴について詳細な検討を行い,その資料を提供することを目的とした。
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