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文献詳細

雑誌文献

精神医学34巻9号

1992年09月発行

文献概要

短報

長年の間反抗的な態度をとっていると誤解され懲罰を加えられていた発作性失語症の1例

著者: 兼本浩祐1 阿部隆二2

所属機関: 1国立療養所宇多野病院関西てんかんセンター 2国立療養所宇多野病院関西てんかんセンター呼吸器外科

ページ範囲:P.1009 - P.1011

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 前兆としての失語発作は,すでに19世紀末から様々の著者によって論じられ3,12),いくつかの体系的な総括も行われている1,2,5)。しかし,複雑部分発作の前兆である場合4,7,8,11,13)を除いては,失語発作はしばしば脳波所見に乏しいことと相まって見過ごされやすい病態である。今回,我々は,年余にわたる失語発作が,時に聴覚失認を思わせる症状をも随伴していたにもかかわらず,単なる態度の悪さと誤解され続け,折檻を繰り返されていた症例を体験した。この症例は,カルバマゼピンの投与によって発作を抑制することができた点で,治療的にも意味があると思われたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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