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研究と報告
日本語版Parental Bonding Instrumentを用いた養育体験と性格傾向と精神症状との連関の研究
著者: 古川壽亮1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部精神科
ページ範囲:P.19 - P.25
文献購入ページに移動 【抄録】 日本人青年165人を対象に,Parental Bonding Instrument(PBI),Maudsley Personality Inventory(MPI),General Health Questionnaire(GHQ)を施行し,精神現症と性格傾向と養育体験との連関を分析した。(1)PBIによって評価された養育体験は,MPIで測定された性格傾向に有意に影響していた。女性では母親のcareが少ないほど,また母親のoverprotectionが強いほど,神経症傾向が強かった(p<0.01)。男性では,母親のoverprotectionが強いほど,神経症傾向が強かった(p<0.001)。(2)MPIの諸得点は,GHQ得点の分散の約16%を説明できた(p<0.001)。(3)PBIで測定された養育体験と,GHQ得点との間では,性別を考慮しても,有意な関連はみられなかった。これは,従来PBIを用いて臨床人口で確かめられてきた所見と異なり,一方,一般人口で行われた研究の結果と合致する。このことは,臨床人口で得られてきた所見にはBerkson biasがかかっていた可能性を示唆している。
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