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研究と報告
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【抄録】 双方ともに双極性感情障害を呈した一卵性双生児の症例を報告した。感情障害の亜型である双極性でも診断が一致し,またうつ状態の臨床像も著しく類似していたことは,感情障害の発病に遺伝的要因が強く関与することを示唆する。しかし,発病は妹が姉より10年早く,また姉には軽躁状態しか認められなかったのに対して,妹には躁状態が認められる点では異なっていた。この違いを来した要因は,発育段階での性格形成の違いに加えて結婚生活などの成人後の環境の違いであると考えられた。本症例の検討から,診断的には一致していても,個々人の発達における環境的要因が発病年齢,経過,重症度に大きく影響することが示唆された。感情障害のみならず機能性精神障害の発病には遺伝と環境が関与することが従来から主張されているが,重症度や経過にも環境要因が大きく関与することが確認された。
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