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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻1号

1993年01月発行

文献概要

研究と報告

事象関連電位(P300)の日内変動に関する研究

著者: 向洋江1 北村敬一郎1 二俣秀夫1 橋本琢磨2 前田義樹3 浦田克己3 川崎康弘3 前田珠美3 山口成良3

所属機関: 1金沢大学医学部附属病院検査部 2金沢大学医学部臨床検査医学 3金沢大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.49 - P.54

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 【抄録】 健常成人12名(男子8名,女子4名,年齢22〜38歳,平均25.5歳)を対象とし,聴覚刺激によるoddba11課題を用い,P300の日内変動について検討した。記録部位はFz,Cz,Pzの3部位とし,測定時刻は8:00,11:00,14:00,17:00,20:00,23:00の計6回とした。記録前に1週間の準備期間を設け,この期間中は就寝および起床時刻の統一を図るなどして被験者全体における睡眠覚醒リズムを揃えた。結果は,P300潜時は14:00に延長する傾向を示したが有意性は認められなかった。P300振幅は8:00より時刻と共に減少し,17:00で最小となり,その後増加する有意(p<0.05)の日内変動が認められた。以上の結果よりP300の臨床応用には特にP300振幅の日内変動による影響を考慮する必要性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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