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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻1号

1993年01月発行

文献概要

研究と報告

摂食障害患者の視床下部-下垂体-性腺系の異常とBody Fat

著者: 中西重裕1 切池信夫1 池谷俊哉1 中筋唯夫1 飛谷渉1 越智宏暢2 川北幸男1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室 2大阪市立大学医学部核医学教室

ページ範囲:P.55 - P.61

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 【抄録】 摂食障害患者にみられる視床下部-下垂体-性腺系の機能異常と体脂肪量との関係を明らかにするためにanorexia nervosa(AN)4,anorexia nervosa+bulimia nervosa(AN+BN)6例,bulimia nervosa(BN)7例のbodycompositionをDual Photon Absorptiometry(DPA)にて測定するとともにLH-RHテストを施行した。LH基礎値,FSH基礎値および⊿LH値において,AN群とAN+BN群はBN群に比して低値を示した。LH基礎値,FSH基礎値,⊿LH値と体重,%SBW,BMIとの間に正の相関を認めたが,DPAで測定した総軟部組織量(TSM),体脂肪量(TFM),体脂肪率(%Fat)との間にはこれらより強い正の相関を認めた。しかし除体脂肪量(LBM),骨塩量(TBM)との間にはなんら相関を認めなかった。以上の結果より,摂食障害患者において体脂肪量が視床下部-下垂体-性腺系の機能異常と密接に関係していると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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