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抗てんかん薬の免疫系に与える影響
著者: 稲本淳子1
所属機関: 1昭和大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.71 - P.77
文献購入ページに移動 【抄録】 抗てんかん薬の免疫系に与える影響について研究するため,10年以上抗てんかん薬を服薬している患者のうちインフォームド・コンセントの得られた131例を対象として免疫系の検査を行った。T cellあるいはB cellの低下は73%に認められたが,helper T cell低下や,helper T cell/suppressor T cellの低下,あるいはPHA(phytohemagglutinin)に対するリンパ球幼若化テストの低下を来すことは約10%と少なく,免疫グロブリン値の異常も15%と少なかった。T cell,B cellともに低下するものは21%あり,helper T cellも相関して低下していた。この時phenytoinの血中濃度は有意に高かった。以上の結果より,抗てんかん薬はnull cellを増加させるが,機能的には細胞性免疫,液性免疫の低下を引き起こすことは少なく,T cellとhelper T cellが相関して低下するとT cellsubsetsのアンバランスを来し,B cell系を障害するものと考えられた。
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