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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻1号

1993年01月発行

文献概要

短報

低ナトリウム血症の回復期に三相波様突発波がみられた1例

著者: 伊藤陽1 松井望1 不破野誠一2 松井征二3 浅間道子3 浅間弘恵3

所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室 2国立犀潟療養所 3大島病院

ページ範囲:P.79 - P.82

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■はじめに
 三相波(triphasic waves)は,Foleyら4)が最初に記載して以来,肝性脳症にかなり特異的な脳波所見とされているが,その他にもエーテル麻酔,けいれん性疾患,うっ血性心不全,尿毒症,甲状腺中毒症などで類似の波型がみられることがあり6),両者の異同については議論がある。ところで低Na血症に伴ったこのような異常波については,まとまった報告は極めて稀で,調べえたかぎりでは丸山ら8)の水中毒に低Na血症を伴った症例で,三相波を認めたという報告があるにすぎない。今回我々は治療によって血清Naレベルが回復した段階で,三相波様突発波を認めた症例を経験したので,この波型の特徴と,血清Naレベルおよび意識障害との関係について報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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