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研究と報告
双極病の長期経過にみられる躁病への極性シフト—内因性精神病の経過力動に関する研究1
著者: 石原さかえ1 岩井一正1
所属機関: 1東京女子医科大学神経精神科
ページ範囲:P.1049 - P.1057
文献購入ページに移動 【抄録】 感情病の経過を長期にわたり動的に把握するために,ここでは1施設で継続観察された症例群を対象として,横断面評価基準を適用した病歴調査を行い,双極病における躁うつの極性の長期的変化を検討した。従来の知見と異なり,平均約17年の観察期間を持つ対象47例の半数に,長期経過中に双極の均衡が失われ,躁病極側に偏ってゆく傾向を認めた。この傾向は,純粋な感情病群にも,分裂病症状を伴った分裂感情病群にも共通していた。分裂感情病群でシフトを起こした症例には,経過途中から,分裂病症状が感情病症状から独立して出現し始め,経過の相貌が分裂病化する傾向が有意に認められた。うつと躁,および分裂病症状の出現の連関性と推移の実態を,単一精神病的な経過力動の視点から論じた。
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