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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻10号

1993年10月発行

文献概要

研究と報告

急性phenytoin中毒から全外眼筋麻痺,小脳失調,意識障害を来したてんかん患者の1症例

著者: 真下清1 榎田雅夫1 山内俊雄1

所属機関: 1埼玉医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.1073 - P.1080

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 【抄録】 抗てんかん薬服用中に全身倦怠感,肝機能障害を契機に,意識障害,小脳失調,けいれん発作,全外眼筋麻痺を来したてんかん患者の1例を経験した。phenytoin血中濃度が高値で,脳波では高振幅6波が全般性に出現し,phenytoin中毒と診断した。phenytoinを中止して,補液を中心とした治療を行ったところ,入院翌日より改善傾向を示し,第30病日後には臨床症状は改善し,脳波所見もほぼ正常化した。本例では肝機能障害とphenobarbitalの併用がphenytoin中毒の症状発現に関与しているものと考えられた。
 phenytoinによる眼筋麻痺に関しては1959年にManlapazが最初に報告して以来,現在まで20例があるのみで,本邦では小田らの1例があるにすぎない。自験例に文献報告例を加えて,急性phenytoin中毒にみられる眼筋麻痺の治療,予後,鑑別診断について考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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