文献詳細
研究と報告
文献概要
【抄録】 80歳を越える高齢に初発し挿話性経過をとった精神病を,精神病理学的検討を加えて報告した。各挿話は,妄想気分を伴う錯乱状態で始まり,意識清明な体系妄想に移行し,臥床がちな消耗状態を経て回復するが,5回の挿話を繰り返した後に2年4カ月の経過で残遺状態に陥った。このような精神病について内因精神病の可能性を検討し,疾患分類上は分裂病の非定型群ないし非定型精神病に含まれる可能性を論じ,その病像や終末像が年齢に応じて変化することを述べた。
掲載誌情報