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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻11号

1993年11月発行

研究と報告

抗精神病薬減量による精神分裂病の再発における再発の要因および予測因子に関する研究

著者: 堀彰1 永山素男1 石井澄和1 大杉圭子1

所属機関: 1国立精神・神経センター武蔵病院

ページ範囲:P.1191 - P.1197

文献概要

 【抄録】 病状の安定している通院中の精神分裂病患者10例を対象にして,抗精神病薬を徐々に減量する過程で,精神症状の評価,生活上の出来事の調査,血漿prolactin,cortisol,HVA,MHPG濃度の測定を行い,prospectiveに再発の要因および予測因子について検討した。(1)対象患者のすべてが減量中に再発し,最終減量から再発までの期間は平均10週間であった。しかし,再発直前に生活上の出来事が集積することはなかった。(2)再発直前の減量時(最終減量前)とそれ以前の減量時(減量実施中)の抗精神病薬投与量,血漿prolactin濃度に差はなかった。(3)最終減量前と減量実施中における精神症状と各種物質濃度を比較した。BPRS総得点,思考障害,引きこもり減退,妄想性対人障害,血漿cortisol,HVA濃度に関しては両時点の間に差はなかった。しかし,不安抑うつ得点,血漿MHPG濃度に関しては両時点の間で差があり,それぞれ最終減量前に有意な増加が認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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