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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻11号

1993年11月発行

文献概要

研究と報告

成人ダウン症候群の頭部MRI,CT所見—特に早期老化についての検討

著者: 村田哲人1 越野好文1 大森晶夫1 村田一郎1 西尾昌志1 前田正幸2 木村浩彦2 石井靖2 浜田敏彦3 梅澤有美子1 伊崎公徳1

所属機関: 1福井医科大学神経精神医学教室 2福井医科大学放射線医学教室 3福井医科大学附属病院臨床検査部

ページ範囲:P.1199 - P.1207

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 【抄録】 20〜46歳の成人のダウン症候群(DS)29人を対象に頭部MRI,CT検査を施行し,早期からの異常な老化について臨床的特徴も併せて検討した。脳萎縮・脳室拡大など加齢に伴う全般的な形態的変化は乏しかったが,基底核石灰化および深部白質病変は加齢に従って有意に増加した。またMRI T2強調画像での淡蒼球・被殻の低信号は40歳代に多く,高齢者に発症しやすいとされるジスキネジア,あるいはパーキンソン症状の出現に関連していた。これらMRI,CTでの局所性の変化は,脳萎縮など全般的な形態的変化に先行する早期からの異常な老化を反映する可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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