icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻12号

1993年12月発行

研究と報告

救命救急センターで経験された摂食障害の事故例の検討

著者: 高木洲一郎1 横田麻里1 女屋光基1 市来嵜潔2

所属機関: 1国立東京第二病院精神科 2国立東京第二病院救命救急センター

ページ範囲:P.1265 - P.1271

文献概要

 【抄録】 第3次救急医療で経験された摂食障害の事故例7例を報告した。平均年齢は20歳と若い。事故には行動障害による必然的事故と,過食症の偶発的事故がある。前者は自殺2例,自殺未遂4例で,些細なことで短絡的に飛び降りなど極めて危険な手段で自己破壊行動をとっている。したがって本症の一部は,行動障害にも十分に注意が必要である。事故例の危険因子として,過食とパージングがある,親への依存攻撃が激しいなど感情不安定,社会適応レベルも非常に悪い,過去にも事故歴のあるものが多いなどを認めた。multi-impulsive bulimiaとの関連を論じた。このような重症例は,閉鎖病棟での管理,薬物の管理に配慮しながら強力な鎮静作用を持つ抗精神病薬を投与することなどを考慮すべきであろう。また偶発的事故例として,嘔吐するために用いていたフォークを誤嚥し緊急に開腹手術を必要とした1例を報告した。過食症の事故に対する注意を喚起したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら