icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻12号

1993年12月発行

研究と報告

睡眠・覚醒リズム障害に対するビタミンB12の治療効果—診断と効果判定上の問題点

著者: 岡本典雄1 内山恭子1 大橋裕1 田口博之1 西本雅彦1 星野良一1 大原健士郎1

所属機関: 1浜松医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.1295 - P.1302

文献概要

 【抄録】 静岡県に在住の睡眠・覚醒リズム障害の外来患者20名にビタミンB12の1.5mg/日あるいは3.0mg/日を投与した。患者の内訳は,睡眠相後退症候群(DSPS)16例,長時間睡眠者3例,不規則型1例であった。治療効果を睡眠・覚醒リズムと自覚症状に分けて検討したところ,DSPSではリズム・自覚症状ともに改善を認めたものが4例,自覚症状のみの改善が7例,長時間睡眠者ではリズム・自覚症状ともに改善が2例であり,全体では6例(30%)にリズム・自覚症状の改善が認められた。この結果は,ビタミンB12の有効性を示唆するものと思われた。しかし,睡眠・覚醒リズム障害の診断については他の精神疾患との鑑別や患者の人格の関与の問題,また,ビタミンB12の効果判定における心理・社会的要因の関与などが新たな問題点として指摘された。そこで,心理検査を施行し,症例を提示して,診断と治療効果の判定について検討を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら