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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻12号

1993年12月発行

文献概要

研究と報告

精神科救急における老人患者の実態

著者: 加藤寛1 飛鳥井望2 森田剛1 米澤洋介1 三宅由子2 中村陸郎1

所属機関: 1東京都立墨東病院神経科 2東京都精神医学総合研究所

ページ範囲:P.1303 - P.1310

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 【抄録】 都立墨東病院における東京都夜間休日精神科救急を受診した65歳以上の老人患者は救急総件数の2.5%であった。その中の初診者132名について,性比をmatchingした同数の精神科通常外来初診老人患者を対照群として比較検討した。救急群の診断では分裂病圏・妄想性障害とアルコールによる障害が多く,器質性精神障害,神経症性障害が少なかった。また痴呆症状のみで事例化した者はわずかで,多くは他の精神症状を合併していた。事例化に際しては老人といえども激しい精神症状や問題行動を伴った例が多く,警察官関与率,救急入院率の高さなど「堅い救急」の特徴を示していた。今回の調査では生活状況や社会的孤立化傾向と救急事例化の間に明らかな相関性は認められなかった。救急事例化に際しては,通常のサービスを経ることなく受診となった者が過半数を占め,精神科救急が事例化の最初の窓口として,その後の適切なケアにつなげる役割を担っていることがわかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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