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「精神医学」への手紙
Letter—精神分裂病圏患者にみられた眼球運動の停止現象
著者: 松井三枝1 倉知正佳1
所属機関: 1富山医科薬科大学医学部精神神経医学教室
ページ範囲:P.1348 - P.1348
文献購入ページに移動 視覚的課題遂行時の開瞼時眼球運動検査中に,これまで報告がないと思われる眼球の停止現象を認めたので報告したい。我々が検査の目的と内容を説明し,同意を得て眼球運動検査を施行した対象者は,これまで132名(精神分裂病圏患者54名,うつ病患者15名,健常者63名)である。課題はベントン視覚記銘検査およびWAISの中の絵画完成課題で,ナックV型アイマークレコーダーを用いて解析した。
被検者の眼球運動はいずれの課題においても注視点への停留(約200から400msec)と注視点間のすばやい移動(サッケード運動)を示した3,4)。しかし,一部の患者にはその途中で眼球の微動もなく,1〜5.6秒もの間ぴったりと停止する現象が認められた。その内訳はDSM-Ⅲ-Rによる診断で精神分裂病5名,精神病性障害1名,分裂病型人格障害1名で,すべて精神分裂病圏患者(13%)であった。この7名の平均年齢は19.8歳(SD=4.3),平均罹病期間は2.3年(SD=1.5)であった。
被検者の眼球運動はいずれの課題においても注視点への停留(約200から400msec)と注視点間のすばやい移動(サッケード運動)を示した3,4)。しかし,一部の患者にはその途中で眼球の微動もなく,1〜5.6秒もの間ぴったりと停止する現象が認められた。その内訳はDSM-Ⅲ-Rによる診断で精神分裂病5名,精神病性障害1名,分裂病型人格障害1名で,すべて精神分裂病圏患者(13%)であった。この7名の平均年齢は19.8歳(SD=4.3),平均罹病期間は2.3年(SD=1.5)であった。
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