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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻2号

1993年02月発行

特集 加齢に関する精神医学的な問題

老人の生化学

著者: 播口之朗1 中村祐2 武田雅俊1 西村健1

所属機関: 1大阪大学医学部精神医学 2日本生命済生会付属日生病院神経科精神科

ページ範囲:P.127 - P.133

文献概要

■はじめに
 老年期には,意識障害,痴呆,うつ状態などの精神医学的症状が出現しやすく,とりわけ,痴呆が「加齢に関する精神医学的な問題」として注目されている。生理的老化において痴呆類似の精神状態や衰退現象がみられるが,これらの背景には身体的因子,心理・社会的因子,自然環境因子などの多元的因子が存在している。これらの因子が複雑に関与していることが老年期精神障害の特徴であるが,なかでも加齢に伴う身体的因子が最も重要な背景になっていると考えられる。基本的な身体的背景は生物学的老化の過程であり,生化学的知見により多くの老化のメカニズム(フリーラジカル説,遺伝子説,DNA複製エラー説,突然変異説,免疫異常説,有害物質蓄積説,ウイルス説など)が提唱されている。本稿においては主として脳の老化にっいて述べるが,脳の老化は全身の老化の1事象としてとらえる必要があると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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