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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻2号

1993年02月発行

文献概要

研究と報告

単極性・内因性うつ病の慢性化について—特にメランコリー親和型性格(Tellenbach)に注目して

著者: 中西俊夫1 磯部文男2

所属機関: 1名古屋大学精神科 2一宮市民病院今伊勢分院精神科

ページ範囲:P.169 - P.176

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 【抄録】 DSM-Ⅲ-RのMajor Depression,melancholic typeの診断基準を満たす外来通院うつ病者で,2年以上症状が続いた者17名と,性・年齢がマッチし1年以内に寛解した者17名をretrospectiveに調査・比較した。慢性化を予測する因子としては,発症から初診までの期間が長いこと,病前性格におけるメランコリー親和型(Tellenbach)の程度が強いこと,経過中のストレスとなる出来事が多いことの3点が明らかになった。一親等親族でのうつ病の家族歴,初診時のハミルトンスケールの得点などでは両者の間に有意差はみられなかった。神経症性うつ病を別にすれば,病前性格においてメランコリー親和型の程度が強ければ,単極性・内因性うつ病は慢性化しやすいと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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