icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻2号

1993年02月発行

文献概要

研究と報告

一卵性双生児のうつ病の女性不一致例

著者: 横山知行1 飯田眞1

所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.177 - P.183

文献購入ページに移動
 【抄録】 うつ病を発症した女性一卵性双生児の不一致症例について,その生育史と病前性格の形成,また両者の結婚後の家族状況を中心に報告した。本症例では双生児両者の生育史と病前性格が類似していたため,うつ病不一致の要因は二人の生活環境の違いが顕著となった結婚後の家族状況に求められた。二人の結婚後の家族状況の比較検討から,発病を免れた相手方(A)の家族状況の特徴として,①強力な庇護者の存在,②良好な夫婦関係が保たれていたこと,③変化の少ない生活環境が得られていたことが明らかになった。これらの点がAのうつ病発症について抑止的に働いた可能性について,うつ病の家族研究やEE研究を踏まえながら考察を加えた。また,Aが発病を免れた状況はBの治療モデルとして有用であり,ひいてはメランコリー型性格者が安定する状況であると考えられることを指摘した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら