icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻2号

1993年02月発行

文献概要

研究と報告

神経性無食欲症における聴性脳幹反応(ABR)—低体重とABR所見との関連について

著者: 宮本洋1 佐久間健一2 熊谷一弥3 小泉準三2

所属機関: 1湯原病院 2筑波大学臨床医学系(精神医学) 3筑波大学附属病院

ページ範囲:P.185 - P.189

文献購入ページに移動
 【抄録】 神経性無食欲症患者は正常者に比較して,ABRの振幅比が有意に低い値を示し,また脳幹が視床下部の摂食中枢と神経伝導路上密接な関連があることから,脳幹機能の障害が同症の病態生理に何らかの関与を有する可能性についてはすでに報告した。しかし,低体重状態がABR波形に与える影響については不明であった。そこで,本論文ではABRを施行した神経性無食欲症の患者を,検査時点において低体重であった群と体重を回復していた群とに分類し,そのABR波形について比較検討した。その結果,両群のABR所見の間に有意の差がないことが確認された。したがって,神経性無食欲症におけるABRの低振幅比が体重減少に由来する二次性の所見ではないことが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?