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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻2号

1993年02月発行

文献概要

研究と報告

分裂病様症状で経過し痴呆を呈した特発性大脳基底核石灰化症の1例

著者: 坂西信彦12 辰野剛1 梶田修明1 井口喬1

所属機関: 1昭和大学医学部精神医学教室 2現,熊本大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.191 - P.196

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 【抄録】 長期に分裂病様症状で経過し,パーキンソン症状,痴呆が発症し放射線学上大脳基底核石灰化症が発見され,精査を受け特発性大脳基底核石灰化症と診断された1症例を報告する。偽性(偽性)副甲状腺機能低下症,家族性大脳基底核石灰化症,Fahr病との関連について考察したが,これらの疾患の定義はいまだ混沌としており,今後さらに症例を集積し遺伝形式を含めた検討が必要と考えた。放射線学上のCT値より大脳基底核石灰化症が分裂病様症状の契機となりうる可能性を示唆した。またIMP-SPECTにおける前頭葉部血流低下の所見から大脳基底核石灰化症による痴呆は脳血管性痴呆と同様の機序により生ずる可能性を示唆した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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