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雑誌詳細

文献概要

短報

介護環境の変化によりADLの改善が認められた中年ダウン症候群の2例

著者: 小野善郎1 東雄司1

所属機関: 1和歌山県立医科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.205 - P.207

 中年期以降のダウン症候群者ではアルツハイマー病の神経病理学的所見を高率に認め,特異的な老化,すなわち早期老化現象が知られている3,4)。しかし,臨床的な痴呆の合併率については報告者によって異なり,病理学的所見との間には解離がある7,8)。一方,多くの中・高年ダウン症候群者は高齢の親によって家庭で介護されており,社会的接触をほとんど持たずに生活している。そのため,精神機能や活動性の低下は,早期老化によるものとしてだけでなく,このような独特な介護環境に起因することも考慮する必要がある。我々は老父母によって長らく家庭で介護されてきた中年ダウン症候群者が,施設入所により介護環境が著しく変化したことを契機に,ADLの改善を認めた症例を経験したので報告する。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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