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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻3号

1993年03月発行

文献概要

研究と報告

総合病院における手首自傷を伴う症例の臨床的検討

著者: 服部隆夫1 竹谷一雄1

所属機関: 1公立陶生病院・神経精神科

ページ範囲:P.257 - P.264

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 【抄録】 1総合病院の手首自傷を伴った症例56名(男性22名,女性34名)を検討した。疾患分類はDSM-Ⅲ-Rに従った。患者は1978年以後増加し,平均年齢は34歳(13〜77歳)で,約半数を占める30歳未満の症例では女性の適応障害が多いが,20代では分裂感情病と気分障害がこれに次ぎ,30歳以上では男性の気分障害と女性の分裂感情障害,短期反応精神病が中心で,30歳未満の症例よりも自殺の危険度は高いと思われる。症例の29%に境界性人格障害が,約半数の治療中または既往歴に服毒,身体自傷,縊首,投身などの自殺行動がみられた。対象の41%は未婚で,27%に自殺,精神病,アルコール症その他の精神疾患の負因があり,素因の関与も考えられる。また,手首自傷は自責,怒り,受容への願いなどの感情の非言語的表現であり,一種の身体言語ともいえる。半数は依頼症例で,手首自傷などの病態は今後総合病院精神科が対応すべきテーマの1つといえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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