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文献詳細

雑誌文献

精神医学35巻3号

1993年03月発行

文献概要

「精神医学」への手紙

Letter—佐藤氏の所論(Schneiderの一級症状をめぐって—「ごく控えめに」か「間違いなく」か)への批判

著者: 柏瀬宏隆1 各務克充1

所属機関: 1防衛医科大学校精神科学教室

ページ範囲:P.331 - P.331

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 本欄(本誌34:1216,1992)に佐藤裕史氏は,Schneiderの一級症状について,“in aller Bescheidenheit”を従来「ごく控えめに」と訳され理解されてきたが,これは誤りで,Schneiderは「間違いなく」と考えていたようである旨を指摘されている。佐藤氏は,“in aller Bescheidenheit”とは,辞書ではwith alldue modesty,「いくら遠慮しなくてはならないとしてもやはり」とあり,数人の独文学者の意見でも,一級症状が揃えばまず分裂病に間違いないと原著者は考えていたように読めると言われるのである。
 Schneiderの原著書(p 65)2)と平井・鹿子木の翻訳書(p 148)1)にあたってみよう。“Woderartige Erlebnisweisen einwandfrei vorliegen undkeine körperlichen Grundkrankheiten zu finden sind, sprechen wir klinisch in aller Bescheidenheit von Schizophrenie.”「このような体験様式がまちがいなく存在し,身体の基礎疾患が何も発見されない場合に,我々は臨床的に,ごく控えめに,分裂病だということができよう。」

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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